緑内障治療~日帰り手術

緑内障手術は眼圧を下げる手術です。緑内障は、いったん悪くなった視力や視野を元通りに回復することはできませんが、眼圧を下げれば、病気の進行を遅らせることができます。
当院では、日帰りで線維柱帯切開術や隅角癒着解離術、レーザーによる虹彩光凝固術や隅角光凝固術などの緑内障手術を行っております。
日帰り手術の場合、普段の生活環境をあまり変えることなく治療を受けられるメリットがあります。
但し、日帰りに向かない手術は関連病院に紹介させて頂くこともあります。詳しくは担当医にご相談下さい。

 

緑内障について

【緑内障とは】
緑内障とは、何らかの原因で視神経が障害され視野が狭くなる病気です。
40歳以上の日本人の6%近くが緑内障になっていると言われています。
日本においては、400万人以上の方が緑内障というありふれた病気といえます。
緑内障は「見えにくい」「視力が落ちた」など見え方がおかしいと気付いたときにはかなり進行してしまっていることも少なくありません。
症状が進行する前に、早期に治療を始める事が大事です。

 

【原因】
原因として、眼圧の上昇がその病因の一つと言われています。
緑内障による視神経の障害は、目の硬さである眼圧が、その人の耐えられる眼圧より上昇することによって引き起こされます。
しかし、眼圧が高くない人にも緑内障が少なくないことから、眼圧以外にも緑内障の原因があると考えられています。
要因の一つに、「視神経が弱い」「血流が少ない」「視神経に毒として働く物質が存在する」などなど様々な要因が考えられます。

 

【検査について】

◆眼圧検査
眼に空気をあてて眼球の固さを計測します。
眼圧が高い=緑内障(眼圧が低い=緑内障ではない)とは限りません。
また、機械で計測する眼圧検査は誤差がでやすいので、正確な眼圧を測定する場合は眼に直接コンタクトレンズのような検査器をのせて計測します。

◆眼底検査
視神経乳頭の形を検査します。
緑内障の場合、乳頭の陥凹が拡大していることがあります。

◆自動視野検査
緑内障の特性を利用した視野検査で、従来の視野検査に比べ、より早期に緑内障を発見できると言われています。

◆動的視野検査
自動視野計はコンピュータが自動で測定しますが、ゴールドマン視野計は検査員が患者さんの反応をみながら調整することができます。

◆隅角検査
緑内障の眼球内の水分=房水(ぼうすい)の流れが悪くなって眼圧が上昇する場合があります。
その通り道が狭くなったり塞がれていないかを特殊なレンズを用いて検査をします。

◆光干渉断層計
眼底を三次元で解析し、網膜の断面や視神経線維層の厚みを測定・視神経乳頭の状態を詳細に知ることができます。

◆その他の緑内障に関係する検査
緑内障の診断をするのに重要なのが視野検査です。
眼圧検査や眼底検査で異常が見つかっても、視野に異常がない場合には緑内障の点眼などの投薬治療はせず、経過観察をします。

 

症状の進行度

症状の進行によって視野が変わってきます。

【初期】

【中期】

【末期】

 

治療方法

●点眼薬
高くなった眼圧を下げるために点眼治療をします。点眼開始前の眼圧より10~30%の範囲で可能な限り下げることを目標とします。
点眼によって下がった眼圧を保つことが重要になりますので、眼圧のコントロールが上手くできれば1種類の点眼で経過観察します。
コントロールが悪い場合や視野欠損が進行する場合には、作用が異なる点眼を使用する場合があります。

●レーザー治療
レーザー手術には主にレーザー線維柱帯形成術とレーザー虹彩切開術があります。
レーザー線維柱帯形成術は房水(目の中の水)の出口である線維柱帯にレーザーを照射し、その熱凝固により房水流出抵抗を減少させ眼圧下降を図る術式です。

●緑内障手術
緑内障の手術では、房水の流れが悪い部分を切開して房水の流れをよくしたり、新しく房水の流れる通路を作ったりします。
点眼麻酔をした後に、手術を行いますので痛みもほとんど無く、手術時間も30~1時間ほどで終わります。
手術が必要かどうかも状態によって変わります。
手術をしても既に失われた視力・視野は充分には回復しません。基本的には、進行と悪化を防ぐ手術です。
重要な事は、早期発見と早期治療がとても大切です。

 

緑内障手術について

◆原発閉塞隅角緑内障
閉塞隅角緑内障で、急性型の発作時はレーザーで虹彩を切開する「レーザー虹彩切開術」を行います。
たまった房水を排出させ、急性型の場合は片目に症状が起こると、もう片目にも同じ症状が起こることが高くなりますので、予防のためにも両目にレーザー手術を行ないます。
慢性型の場合もレーザーによる虹彩切開をして隅角を広げる必要があります。
いずれの場合もレーザー虹彩切開をした後も眼圧が高いときには開放隅角緑内障と同じような治療が必要です。

◆原発開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障
眼圧を下げるために、目の中を流れる「房水」という水の排出を改善する手術を行ないます。
「房水」が流出する際に、抵抗の高い線維柱帯という部分を切開する手術「線維柱帯切開術」と新しく「房水」が流出する交通路をつくる手術「線維柱帯切除術」の主に2種類あります。

 

来院から退院までの流れ

1.来院

ご来院される方は、保険証を持参してお越しください。

2.診察

眼圧検査、眼底検査、自動視野検査、動的視野検査、隅角検査、光干渉断層計、緑内障に関係する検査を行います。

3.術前検査

眼軸長測定検査、超音波検査、心電図・血液・尿検査を行います。
適応検査を行い、後日術前検査を行います。

4.説明

緑内障手術を受けられる方へ、院長より手術に関する説明を行います

5.手術

顕微鏡を使用し手術を行います。
手術後は、回復室にて歩けるまでお休みください。
食事もすぐに食べて頂いても大丈夫です。

6.退院

手術後は、回復室にて休憩して頂きそのままお帰り頂けます。
その後、定期的に通院をして頂きます。

 

来院から退院までの流れ

1. 手術まで

◆手術に必要な下記のような検査を手術の3日前までに行います。
視力、眼圧、涙道検査、散瞳検査、眼軸長測定、血液検査、心電図、尿検査
◆他の病気がある方は、通院している病院に紹介状を書き緑内障手術を受けることを相談することもあります。
◆手術の3日前から抗生物質の目薬を1日4回、手術する目に点眼します。これは目の表面のばい菌を手術前に殺しておき、手術をできるだけ清潔な状態で行うためです。
◆この目薬は手術直前にも使いますので必ず持って来てください。

 

2. 手術日

◆手術の2時間前から石鹸で洗顔し、手術する目に点眼が始まります。
◆手術の前にトイレに行って頂きます。
◆手術室へ入ったらリラックスしてください。
◆手術後は約30分ベッドで安静にしてください。
◆その間トイレは歩いて行って大丈夫です。
◆帰宅後はふだんの食事をしてください。入浴は控えてください。眼帯も外さないようにお願いします。

 

3. 手術の翌日

◆決められた時間に来院していただきます。
◆この日から眼帯をはずし点眼が始まります。

 

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